第3章 Loving you is Killing me. 前編
今日の事件は、結局バニーとライアン二人の活躍で犯人を確保し、バニーに確保ポイントがついている。ライアンと組んでからのバニーの活躍は見事なもので
期の途中から参加したのに、バニーは今期のKOH(キングオブヒーロー)を狙える位置にいる。
俺はといえば、今日の事件のダイジェスト番組を観ながら、また、ちびちびと焼酎を呑んでいた……
最近はいくら呑んでも酔えない。
それでも何かあった時の為に、多くは呑まない。
昨日みたいに緊急の呼び出しも、稀にあるからだ。
俺と一緒にバディを組んでいた時よりも、明らかに活躍しているバニーに
良かった、と思う反面
なんでバニーの隣にいるのが俺じゃないんだ……なんて……
テレビを観ながら思わずグッと手を握ってしまう。
「……ッ」
小さな痛みを感じ握っていた手を開くと
うっすらと血が滲んで見えた……
「はぁ~俺、何やってんだ……」
思わず天井を仰ぎ見る。
アイツはもうちゃんと新しい道を歩いているんだ。
俺はそれを喜んでやらないと……
じゃないと、あいつが……バニーが……
俺と組んでいたことを
誇れるように。
いや、せめて汚点にならないように……
なんて、また女々しい事を考えていたら、ケータイが震えている。
画面を見るとバニーからだ。
俺は少し躊躇ったけど、電話に出た。