第3章 Loving you is Killing me. 前編
俺と千代紙が思わず、ビクッ!!!として、ドアの方を見た!
「虎徹さんっ!」
「え?バニー!?ここ、2部の控え室なんだけど?」
「大きな笑い声が廊下まで聞こえてきたと思ったら……何やってるんですか、貴方達!」
「へ?」
ん?いや、あれ?俺達……???
「こんな密室で、二人近い距離で……」
「へ?あ、あれ?」
千代紙がさっと距離を開ける。
「先輩、目にゴミが入ったって……」
「あーそうそう!もう大丈夫!」
「ゴミ……大丈夫ですか?虎徹さん」
今度はバニーが近くに寄ってきて、俺の顔を覗きこんでくる。
「あぁ!大丈夫!大丈夫!」
「目が赤いですよ?」
「いや、もう大丈夫だからッ!で、何?バニーちゃんッ、こんなとこまで来ちゃってさ」
「今日は会社にいるって聞いて……昨日も結局、来てくれなかったですし」
「あ、あァ~ちょっと疲れちまってな……悪ィな」
「……そうですか」
「おォ……」
バニーが俺の手に視線を落とした。
「それ、なんですか?手に持ってるの」
「え、これか?」
なんか、ウサギだって言いたくなくて、思わず口ごもった……
すると千代紙が
「ウサギですよ、これ」
そう言って俺の手からウサギに折った千代紙を取り上げ、フワッと風に乗せて
バニーの左胸にピタッと、くっつけやがった!