第3章 Loving you is Killing me. 前編
「あ、それなら大丈夫です、本当に……」
「なぁに言ってんだよ!お前のこの折り鶴のお陰で犯人確保できたんだからさ、それぐらい手伝わせろよ、なッ?」
その会話を聞いていたバニーが
「虎徹さん……」
って、小さく呟いた。
俺はそれに返事はしなかった。
「ふーん、じゃ俺達だけで行こうぜ。ジュニア君」
ライアンがバニーの肩を組んで、クルッと踵を返す。
「虎徹さん!いつもの店にいるんで!ロックバイソンさんや、ファイヤーエンブレムさんも皆さん一緒なんで……良かったら……」
「あぁ、あんがとな。行けそうだったら、連絡入れるわ」
「はい!待ってますからっ!」
俺はそれにも返事をせずに、あいつら二人の背中を見送った。
「いいんですか?」
千代紙が俺に聞いてきた。
「いいの、いいの!それよりも、早くここ片付けようぜ!」
「はい」
今の俺はあいつらと一緒に肩を並べて酒を呑めるような気分になんて、ならない……
バニー……
ライアンの腕、振りほどかなかったな……
その日は片付けが終わると、俺はそのまま家に帰った。