第1章 キスだけじゃ、我慢できない
皆、俺の話を聞いていたからか、事件はあっさり片がつき
バニーが犯人の一人を確保していた。
ほんと、あいつは何でも有言実行……だよなァ。
バニーの活躍を自分の事のように、誇らしい気持ちで見つめていると
「ほら、虎徹さん。早く行きますよ」
バニーが俺を急かしてくる。
「え?なんだよ」
「待ち合わせの前に、夕飯の買い物しましょう」
「えっ!?」
「今日は僕が腕をふるいます」
えーーーーッ!?
この声は出なかった。
ま、まさか……
楓に、言うのか!?
い、いや、それより……
今日、家に来るのか!?
「夜は帰りますよ」
「へ?」
「それに、まだ、言いません」
「あ?」
「……何、マヌケな顔、してるんですか?」
「いや、だって、ほら。俺の考えてたこと……」
「はぁ~」
「な、なんだよっ!その大きなタメ息は!」
「わかりますよ。あなたの考えていることぐらい」
「な、なんで!?」
「パートナーですよ。僕たち。いつも見てるのに……」
う……
アイパッチで、顔が隠れてて良かった。
俺、絶対
顔赤いわ……
「先、行きますよ」
「えッ?あ!おい!待てよッ!」
ヒーロースーツをガッシャン、ガッシャン鳴らして俺はバニーの背中を追った。