第2章 キスだけじゃ、止められない
「僕だけがキースさんを好きじゃないんですよね……?」
「私だけがイワン君を好き……では、ないと言うことなんだろうか?」
好き……
好き!?
本当にっ!?
あぁ~僕の身体……消えなくて良かった!!!
だって今もまだ、キースさんが僕をギュッと抱き締めてくれている……
「君の顔を見せてくれないかい?」
「えっ?」
そう言われ、思わず顔を上げると
チュッ
と、軽いリップ音を立てて、一瞬。
ほんの一瞬だったけど……
キースさんの唇が僕に触れた……
キースさんの顔が一瞬で真っ赤に染まる。
「キースさん……顔が……真っ赤ですよ……」
「イワン君も、真っ赤だよ。凄く、赤い……」
あ……僕も赤いんだ……でも、もう……
考えられない……
だって、キースさんが
さっきよりも、もっと……ずっと……
深くて甘い……キスをしてくれるから……
これって……いつまでしてていいんだろう?
よく、わかんないな……
でも、ほんと気持ちいい……いつまでも、こうしていたい……
うっとりとした気分で、僕はキースさんに身を委ねていた。
すると、キースさんが僕の肩を優しくつかんで、顔を覗き込んできた。
「今日はちゃんと君に、その……もっとお祝いをしたいんだが……どうだろう……?」
「そんな……僕は、なんだかもう……既に……その……」
キースさんから、とても大切な気持ちを頂いたから……それだけで、充分というか……
でも、それをどう伝えていいのかが、わからない。
また下を向いて困ってしまった僕に、キースさんが優しく声をかけてくれる。