第2章 キスだけじゃ、止められない
「私ね、普段は動物相手にしか興奮させることができないんですけど……お酒を飲むと、周りにいる人達も一緒に……その……少しなんですけど、ドキドキさせてしまって……」
「へ?じゃあ、もしかして、僕がドキドキしていたのって……」
「私がドキドキしていたのも……?」
「はい。私のせいなんです」
「えっと……」
それでもイマイチ、この状況が飲み込めない。
「私が、スカイハイさんに提案したんです……どちらが、折紙さんを……より喜ばせることができるのか……って」
「へぇ~………………」
いや、何か返事が……と、言うか、頭がついていかない。だって、そんな提案をキースさんが受け入れるとは思わなかったから……
なのに、キースさん……!?
「すまない!イワンくんの気持ちも考えずに!私の気持ちを押し付けるようなマネをして……
本当に申し訳ない。すまなかったね……イワンくん……」
シュンとして下を向くキースさんが……
まるで今日のジョンのように見えて……
いや、そんな犬と一緒にするなんて、僕も本当に失礼なんだけど……
キースさんが、可愛すぎた……
僕は下を向いたまま、そっと
キースさんの手を握った。