• テキストサイズ

君とならキスだけじゃ【TIGER&BUNNY】

第20章 kiss the glasses 前編


「違いますよ。貴女にファンでいて欲しいなんて、言いませんよ」

「え?違うんですか?」

「はい」

すると突然、困ったような顔をするさん。

その愛らしい顔を見ていると、僕はたまらない衝動にかられ……

ギュッとさんを抱き締めた。


「あ、あのっ!?」

すっ頓狂な声を上げる、さん。

「わかりませんか?僕はどうやら、貴女にひどく惹かれているようなんです」

「ま、まさか~ははっ」

……そこで笑いますか?歳上の余裕なのかな?

「本当です」

僕は身体を離して、さんの頬を両手で挟んで目を見て言った。


「……」


「ちゃんって呼びたいなんて言ったのは、ウソです。本当は

って呼びたい。いいですか?」


「…………でも、私はただの同僚で……バーナビーさんよりも、かなり歳上で……なんの取り柄も……」


「取り柄は、斎藤さんが褒めてましたよ。随分、貴女の事を買っている。デザインのセンスがいいとか……」

「ほんとに?」

あ、凄く嬉しそうな顔だ。
僕の手に挟まれたままだけど。

「歳は気になりませんね。僕なんかよりも、ずっと可愛らしい」

「いやーそれは、ないですよ」

何故かそこは、ハッキリと否定するさん。
もちろん頬は僕に挟まれたままだ。

「他には?」

「ただの同僚……」

「大事な同僚です」

「あ、もうすぐタイガーさんが戻ってきますよ」

「大丈夫です」

「……え?」

「さっき貴女を抱き締めているときに、戻ってきたので追い払いましたから」

「えっ!?見られたんですかっ!?」

「何か問題でも?」

焦って大きな声を上げるさんに、僕はさっきよりも強く頬を挟んだ。




/ 429ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp