第20章 kiss the glasses 前編
ま、それでその後すぐにデザートを買いに行く僕も僕なんだけど……
ドーナツをたくさん買って、皆で食べようと思った矢先……
BEEP!BEEP!BEEP!BEEP!
PDAが鳴り響いた。
事件が発生した。
僕と虎徹さんは、そのまま現場に直行。
斎藤さんとさんは、後からポーターで追いかけてくることになった。
だけどその日、僕たちは顔を合わせる事がなかった。
立て続けに入った事件が、長引いてしまって、
解決したのが、明け方になってしまったからだ。
さすがにさんを夜中まで働かせることは出来ないと、斎藤さんが日付が変わる前には帰宅させていたからだ。
明け方に解決した事件。
その日の出勤は昼からでもいいと言われ、虎徹さんは自宅に帰って行った。
けど、僕は朝一で提出予定だった書類があるので、それを出してから部屋に戻るつもりで、会社に寄った。
テレビ局は24時間、動いている。
明け方のヒーロー事業部は、さすがに誰もいない……
「うわっ!!!」
さんがヒーロー事業部のロッカールームにある固いソファの上で眠っていた!!!
「……」
どうしてこんなところで……
家に帰ったハズじゃあ……
……それより、起きないんだな……
危なくないか?いくら会社とはいえこんなところで……
「さん、起きて下さい……」
僕は少し揺すってみる。だけど、すーすーと気持ちの良さそうな寝息を立てて眠るさんを見ていると……
起こすのも気の毒に思えてきて……
おまけに僕も……なんだが眠くなってきて
固いソファを枕にして……
身体は床に着いたまま…………
僕も眠ってしまったんだ………………