第20章 kiss the glasses 前編
「もう……僕のファンじゃなくなりましたか?」
「え?そ、そんなこと……」
やっぱり下を向いているさん。
「そう。よかった、じゃあ後でデザート買ってきますよ」
「ファンだから?」
「そう、ファンの方には親切なんです、僕」
あ……こっちを見た。
「ふふ……」
あぁ……少し目元が乾燥してるのかな……優しい笑いジワが出ている……
また僕は、さんに手を伸ばしてしまった。
「あ!バニーまたっ!セクハラっ!!!」
「えっ!?」
「ちゃん固まってる!!!」
「す、すいません!!!僕!ついっ!!!」
「まーいいよ、いいよ、早くデザート買ってきてよバニーちゃん!」
「なんで貴方が……」
さんの代弁のような事を……そう言う意味だったのに……
「だって俺もバニーちゃんのファンだから~、早く買ってきて~」
あぁ……さんに対してじゃなくて、デザートに対して言ってたんですね……
虎徹さんは……
なんだろう。
少し、ホッとした僕がいる。