第2章 キスだけじゃ、止められない
「あ、あの人…………さん?」
バーナビーさんが、ボソッと声をだした。
知り合いなのかな?と、思って僕も視線を向けるとそこには
今日会った日本人形の彼女と、彼女の背を高くして、まるでモデルのようなスタイルで、赤い唇がやけに目につくセクシーな女性がいた。
赤い唇の女性がどうやら気付いたようだ。
「あら、バーナビーとタイガー……こんばんは」
ニコッと妖艶に頬笑む彼女は、店の中なのに何故か濃い色のサングラスをかけている。
「どうも……」
「こんばんは……」
タイガーさんと、バーナビーさんは挨拶をするものの、なんだか変な感じだな?
それよりも、僕が気になるのは……
その横でニッコリと頬笑む、日本人形の彼女だ。
背の低い彼女は、背の高い赤い唇の女性に背伸びをして耳打ちしている。
聞こえてきたのは
「お姉ちゃん!ぜーーーったいに、サングラス外さないでねっ!」
そうか、二人は姉妹なのか。
すると二人が僕達のテーブルに近寄って来た。
「あれ?君は、さっきの……ジョンが迷惑をかけてすまなかったね」
キースさんが気付いて、挨拶をする。
「いえ、よくあることなので……」
少し照れた顔をして、小さな彼女が俯く……
ふうん……よくあること……?なのかな?
「あらァ~どちら様ァ~?」
あ、ファイヤーさんが彼女達に気付き、声をかけた。
するとキースさんが
「今日、うちのジョンが彼女に迷惑をかけてしまってね」
なんて話し出した。
でも近寄ってきた二人は、そんなこと気にした感じじゃない。
僕達の輪に入って、ニコニコと話を聞いている。