第18章 Tintarella di luna 前編
バーナビーがやってくる!?
あんな目立つ男が、この店に!?
いつもワイルドタイガーが色々な店を調べては、私の好みでも探っているのか
毎回違う店で食事をしたり、酒を飲んだりしていた。
今、私達がいる店は、少し騒がしいビストロだ。
「彼が来るなら私はもう失礼しよう」
そう言って席を立とうとしたら……
「あれ?ペトロフ管理官と飲んでいたんですか?」
「おぅ!バニー早かったな!」
「………………私は、もう帰るところですので」
「何、言ってんすか!ユーリさん!」
そうワイルドタイガーが私の名を呼んだ時、バーナビーの眉がピクリと動いた。
「虎徹さん、ユーリさんなんて呼んだら失礼ですよ」
「いえ、今はプライベートな時間なので構いませんよ」
「ほらっ!バニー聞いたかー今のっ!俺とユーリさんは、飲み友達なんだっ!」
「本当ですか?」
「……まぁ、少し語弊はありますが……概ねその様な……」
何故か呆れた顔のバーナビーに
得意気な顔のワイルドタイガー
「ほらなっ!で、何だよバニーちゃん!話って!」
「いえ、まさか管理官とご一緒とは思わなくて、またロックバイソンさん辺りとご一緒なのかと……」
不満げにチラリと私の顔を見てくる、バーナビー。
私はまだ、この時は冷静で
そんな視線は軽く受け流してやったのだ。