第2章 キスだけじゃ、止められない
「ふふ、喜びすぎちゃったんだね。ごめんね」
パッと立ち上がって何事もなかったように彼女がそう言っても、ジョンの腰が止まらない!!!
「ジョン、どうしたんだい?どうしたんだい、ジョン?」
どこまでも落ち着いている、キースさん。
あぁ……僕の気が落ち着かないですよ!!!
「キースさん!ジョンのオヤツとかないですか!?」
「あ、あぁ。ここに」
「貸して下さい!ジョン!ほら、これ!」
そう言って、ジョンの鼻先にオヤツをあてがうと、ピクッとしたジョンは、少し落ち着きを取り戻し、オヤツとキースさんの用意した水を飲み出した。
なぜか僕が謝っていた。
「すいません……な、なんか、その……」
「ふふ、大丈夫ですよ。その……よくあるんです。私……私も何か対策を考えなきゃ、ですよね」
可愛らしく舌をペロッと出して、そう答える彼女に、心なしかキースさんの顔が赤くなった気がした。
「君は何か動物を惹き付ける能力でも、あるのかい?」
「えっ……」
彼女が少し、動揺したような返事をしたその時
僕とキースさんのPDAが鳴り響き、3人の会話を中断させた。
「すまない」
そう言って、僕達に背を向けキースさんがアニエスさんからの連絡を受けている。
僕はチラッと彼女を見た。
「もしかして……ヒーロー……?」
ボソッと、彼女が呟いた。