第2章 キスだけじゃ、止められない
「おや、イワン君じゃないか」
「え?」
どうやら、僕はボーッとしながら、じわじわと二人に近寄って行っていたようだった。
「あぁっ!キースさんっ!こ、こ、こんにちは!」
「こんにちは。君も散歩かい?」
「あっ!はい!」
ふと足下を見ると……
ジョンが、デレ~~~っとして、先程の女の子に頭を撫でられている。
「うーん。このようなジョンは、私も見るのは初めてだ」
「そうなんですか?ふふ、賢そうな顔、してますね。この子」
「そうなんだよ!わかるかい!?」
「えぇ。とても」
そう言って彼女はしゃがみこむと、ジョンの頭や背中、そしてお腹を撫でだした。
甘えて嬉しそうに、お腹まで見せているジョン。
あれ……
ジョン……
ちょっと待って!
なんか、なんか……
興奮……してきてないっ!?
突然、ジョンがガバッと起き上がると、彼女の腕にしがみついた!
「こ!こら!ジョン!!!ダメだよっ!」
思わず僕が焦って大きな声を出した。
しまった!ジョンはキースさんの飼い犬なのに!
しかし、飼い主であるキースさんは、意味が解っていないのか冷静に
「ジョン、ステイ!そしてステイだ!」
なんて言っているし!