第16章 if...
「数日でなんとかしますので、泊まり込みの合宿をしていただけませんか?」
『えっ!』
俺と折紙の声が揃った。
「ジュニアっ!お前、一人で泊まれんのか?」
「え?そんなのいつもしてるでしょ?」
「いや、あれは楓のとこだろっ!?」
「おとうさんは、心配性ですね~」
なんてクスクス笑ってるし……
「僕、今は勉強で時間を使いたいので、能力の制御を早く出来るようになりたいんです。だから、専門家の所で特訓させてもらうのが一番かと」
うーーーん、どこまでも合理的なヤツだな。
「そんなところまで、バーナビーさんに似ているんですね」
なんて、折紙も感心してるし。
「お父さん」
ふいに、ジュニアに呼ばれた。
「お、なんだ?」
「僕、そろそろ自分の部屋が欲しいので、ダッドの部屋を使いたいんですけど、いいですか?」
「あ…………あぁ…………」
「では、僕が合宿中に整理をお願いできますか?」
「お、おぅ!任せとけっ!てか、そーだな、いつまでも一緒に寝てらんねーしなっ!」
「ま、それはまだどっちでもいいですよ」
「えっ!?一緒に寝てるんですか!?」
折紙がびっくりしている。
「あぁ、うちはオリエンタルスタイルで育ててっからよ」
「そうなんですね!」
折紙の目がキラキラした。そうか相変わらずの日本びいきなんだな。
ジュニアは早い日程を希望していて、次の週末と祝日が重なった3連休にさっそく合宿をしてもらうことになった。