第16章 if...
出産が近づいていた。
楓の腹は、見たことねーぐらいデッカクてよ……
「バーナビーの子は、きっと身体が大きいんだね。お腹の中で暴れる力も、すごいよ!」
なんって笑いながら言ってたな。
だからかな、出産がけっこう大変だったんだ。
4人目だし、3人共安産だったから、俺達も呑気に構えてた。
バニーは出産にも立ち会っていた。
楓の右手を握るのは、楓のダンナ。
そして、バニーは左手を握っていた。
俺ッ!?
ムリムリムリっ!!!
楓が苦しんでるとこなんって、とてもじゃねーけど、見れねーわっ!
ま、男親なんって、そんなもんだろ!?
ま、後から聞いた話なんだけど
バニーの、いやっ俺達の子は、ガタイがよかったのか肩で引っ掛っちまってよ……
でも、肩が出たら、頭も小さくて、顔も小さい。
手も足も、細くて長い!
バニーにソックリの男の子が産まれたんだ!!!
金髪にグリーンアイ!そして、肌の色っ!!!
これ隔世遺伝ってヤツなのか、神様のイタズラなのか
俺達の子は
少し浅黒い、俺によく似た肌の色だったんだ!!!
俺達は舞い上がってた。
この日以上に幸せな日なんてないンじゃねーかっ!?ってぐらい俺達は幸せだった。
でも、そんな日はいくらでも更新していく。
毎日が幸せだったんだ。