第16章 if...
ま、あとは他のヒーローの援護もあって、いつの間にか俺達を応援してくれる人達が多くなっちまってさ。
ほんっと俺達は恵まれてた。
楓が2度目のトライで無事着床した時、バニーは複雑な顔をしてたんだ。
本当にこれでいいのか、と言うような不安な顔だった。
でもそれも、大きくなっていく楓の腹を見て、バニーも腹を括ったみてーだったな。
4度目の妊娠の楓はもう慣れたモンでさ、悪阻も軽いらしくって普段通りになんでもしようとするから
バニーのヤツが心配して、心配して……
そしたらさ、楓のヤツ
「バーナビー!お父さんになるんだよっ!?お父さんがそんなにオロオロしちゃダメっ!
今、お腹の子の事は私に任せてっ!!!」
なんて言っちゃってさ。
あーこいつはもう、俺達の知ってる可愛いかっただけの楓じゃねーんだ。
しっかりと3人の子の母親、そして、4人目の子供を産もうとしている。
立派な女性なんだって……
なんかさ、俺、スゲー誇らしかったんだよな。
友恵にも胸張って言える。
俺らの子供は、立派に育ったんだ!ってな。
バニーは、一喝されたにも拘わらず、やっぱ心配したり甘やかしたり、そして大きくなっていく楓の腹を撫でては嬉しそうに話しかけていたんだ。
俺はそんなバニーを眺めているのが、ホンッと幸せだったし、時には一緒に手を握りながらお腹の子に話しかけたりさ。
俺達の関係も変わることなく、いつまでも仲が良かったし、ま、回数はだいぶ減っちまったけど……
アッチの方も健在だった。