第15章 How to A B C & ...!? 前編 A&B
チュッ
…………
ぼ、僕のファーストキス……
虎徹さんが、顔を真っ赤にして固まる僕を見て
「うわ!悪ぃ!!!ついっ!」
僕はまた首を大きく横に振った。そして
「わ、悪くないです……凄く嬉しい……」
「ほんと?バニーちゃん」
「はい」
「こんなおっさんに、チゥされて……ヤじゃねーの?」
「い、イヤなわけありませんよっ!!!
むしろ大歓迎ですっ!!!」
しまった!大きな声で恥ずかしいことを叫んでしまった!!!
虎徹さんはそんな僕を見て、声を堪えて笑っている。
「笑うなら声を出して笑って下さいっ!!!」
「いや、悪ぃ……だって、バニーちゃんが可愛い過ぎるからサ……」
あ、また……顔が近づいて……
唇が触れ合うと、虎徹さんは何度も啄むようにキスをしてくる。
チュッ、チュッ、チュッ、チュッ……
口だけじゃない。
虎徹さんは僕の眼鏡をそっと外して
頬、目、おでこ、手、指……
たくさん、たくさん、色んなところにキスをしてくれる。
そして、僕と目が合うと
虎徹さんは僕の両頬を、固い手のひらで包み込んで
ゆっくりと
蕩けるようなキスを
僕にくれた。