第15章 How to A B C & ...!? 前編 A&B
結局、手を繋ぎながら食べるなんて……やっぱり難しくて、その後すぐに離してしまったんだけど……
虎徹さんは、何度も僕の口に料理を運んでくれる。
それに甘えて、僕も言われるがままに口を開ける。
「なんか餌付けしてるみてーだなっ!」
「えっ!?」
愛を確めあってるんじゃなかったのか!?
しまった……
甘えすぎたか……
虎徹さんには、僕が子供に見えているんじゃないだろうか……
ふと不安になり下を向いた。
「バニー?」
「は、はいっ」
呼ばれて慌てて上を向くと
「ソースついてる」
虎徹さんが親指で、僕の口元を拭って……
その指に付いたソースをペロッ、と
舐めた。
その妖艶な仕草に思わず
ゴクッ
僕の喉の音が、広い個室に大きく響いた。
は、恥ずかしいっ!!!
「あ、悪ィ。ヤだった?」
そんな事あるはずがない!!!
僕は首を大きく横に振った。
「ははっ!バニーそんなに首を大きく振ったら、もげちゃうぞ?」
「も、もげ?」
「バニー……可愛い……」
へ?
可愛いのは、貴方ですよ……?