第15章 How to A B C & ...!? 前編 A&B
虎徹さんの舌が僕の固く閉じた口をこじ開け、ゆっくりと中に入ってきた。
優しく、ゆっくり、僕の緊張を解くように…………
でも、固まってしまった僕はどうしていいのか……
ただ、されるがままにしていたら……
チュッ……と何だか儚い音がして、僕の唇から虎徹さんの唇が離れてしまった。
僕はそれに寂しさを感じて……
「あ……」
と小さく声が漏れた。
すると虎徹さんは、頬に手をあてたまま、僕の目を見つめ
「ヤだった?バニー……」
「い、いえ……僕、どうしていいのか、わからなくて……」
「…………まさか、キスも初めて?」
「!!!」
僕は真っ赤な顔のまま、もっと固まってしまった。
どうしよう。この年で童貞だと言うだけでも、引かれる自信があるのに、キスまで初めてだなんて……
「そっか……じゃあさ……」
僕は虎徹さんの言葉をじっくり聞くために耳を傾ける。
すると虎徹さんは、ニヤリと笑って
「俺の動きに合わせて……俺達、息を合わせるの、得意だろ?」
そう言った。
そしてまた僕の唇は虎徹さんの唇で塞がれると
舌がゆっくりと入ってきた……