第15章 How to A B C & ...!? 前編 A&B
こ、虎徹さんがっ!!!
僕の手を握ってきた……
「いや、ほら……せっかく二人きりでサ、こんな旨いモン食ってんだから……なんか俺、浮かれちゃって……
ゴメンな?」
ズッキューーーーーーーン!!!
今、僕の心臓は間違いなく、上目遣いで謝ってきた
この可愛いオジさんに撃ち抜かれた。
あまりの可愛さに目が開けられないでいたら
握った手を揺すって
「バニー?バニー?」
なんて顔を覗きこんでくる。
「あ、す、すいません。貴方の愛らしさに思わずメマイが……」
「は?何言ってんだ?バニー」
そう言うと今度は僕の手を包むように握っていた手を、絡めるように握り直してきた……
「あ、あの虎徹さん……手……」
しまった!こんなこと言ったら、手を離されてしまう!!!
「あ、へへ……タマには、その……イイだろう?誰も見てないんだしよ。
あっ!でもコレじゃ食えないかっ!」
いわゆる恋人繋ぎになった僕の右手と虎徹さんの左手を、少し上に上げて見せてくる!
あー……僕はなんて幸せ者なんだ。
「貴方が食べさせてくれるんでしょう?」
僕のその言葉に、虎徹さんが嬉しそうに笑うと
「おしっ!ワイルドに食うぞ~!」
なんて言うから、
「いえ、上品にお願いします!!!」
思わず言ってしまった。