第14章 君となら視線だけで
「しかしパートナーの彼女を家まで送るなんて、貴方もなかなか親切な方なんですね。さすがヒーローだ」
「ち、違うっ!!!パパっ!!!」
いつも出かける時に、ハンサムの名前を出していたから、パパが勘違いしていたっ!!!
それに虎徹さんも気づいたのか
「いえ、すいません。カリーナさんとお付き合いしているのは、私です」
「そ、そうなのっ!バーナビーさんは、ほんとに勉強を見てくれていただけなのっ!!!」
「…………」
ヤバイ!!!パパが固まった!!!
「ご挨拶が遅くなってすいません。今度、ご挨拶の時間を作って頂けませんでしょうか?」
「……いえ、結構です。帰るぞカリーナ」
パパが私の腕を掴んだ!
その時!!!
BEEP!BEEP!BEEP!BEEP!
うそっ!このタイミングで!?
虎徹さんも私もお互いのPDAに出る。
アニエスさんの声が二重に聞こえる。
出動要請だ。
「すいません!ご挨拶はまた今度」
「ごめん、パパっ!」
「カリーナっ!!!」
私は虎徹さんの車に飛び乗った。
「このまま現場に行くぞ」
「はいっ!」
そのまま私も自分の会社に連絡を取る。
「ブルーローズです。現場に直接向います。ポーターをお願いします」
虎徹さんの方にも連絡が入った。現場にポーターが向かうそうだ。
そして、二人
はーーーーっ
と長い息を吐いた。