第14章 君となら視線だけで
頭を抱えてる虎徹さんに、背伸びをして、頬にキスをした。
「こら、ここ外だろ」
「可愛いすぎる虎徹さんが悪い」
「は?おっさん捕まえて、何が可愛いだ」
「でも好き」
「ははっ、知ってる」
二人で笑いあっていると、
「カリーナ?」
ビクッとした。
この声は……
「パパ……」
隣で虎徹さんの喉が、ゴクッと鳴ったのが聞こえた。
「何をしてるんだこんな所で」
「え、えっと……あの、か、会社の……」
とっさに会社の人って言おうとしたら、虎徹さんに止められた。
「あの!俺っ、いや、私、鏑木・T・虎徹。ワイルドタイガーです。はじめまして!!!」
虎徹さんが頭を下げた。
その姿をびっくりして見ていると
「あぁ、貴方がワイルドタイガーさん。いつも娘がお世話になっています。で、今日はバーナビーさんは?」
「へ?えっ?あ、彼は今日はもう帰って……」
虎徹さんが、慌てて答えているけど……
「そう。一度お会いしたかったな。バーナビーさんに。いつも娘がお世話になっているようなので」
「は、はぁ……」
虎徹さんの返事が頼りなくなってきてる?って、
……も、もしかして、パパ……