第14章 君となら視線だけで
「さ、行くか……」
「うん……」
離れる時は、いつも寂しい。
名残惜しいから、いつももう一度、私から軽くキスをする。
虎徹さんはいつも嬉しそうに、頬を撫でてくれる。
そして車から外に出ると、少しだけ二人並んで車にもたれて話をする。
ホントは離れたくないから……指を少しだけ絡めてるの……
「で、なんでいつも夕食は食べないの?」
「えっ!?まだ言ってんの?」
「うん」
「いや、だってお前、遅くなっちまうし……それに……」
「それに?」
「お前っ!食欲の次に何が来るか、知ってんのか!?」
「は?って、えっ!?何言ってんの!?」
「腹も満たされて、お前と車ん中で二人なんて……とてもじゃねーけど、ムリだわっ!」
「ば、ば、バカじゃないっ!?」
「バカじゃねーよっ!部屋でも二人にならないように、いつもバニー呼んでよ」
「……」
「そしたら、お前らずっと二人でくっついてるし」
「……」
「あーーーっ!言うつもりなんて、なかったのに!」
虎徹さんが頭を抱えてる。
か、
可愛いすぎる