第14章 君となら視線だけで
「なんか変な顔ばっかしてる時に、そんなこと言ってない!?」
「あ、バレた?」
「もうっ!」
でも虎徹さんも、さっきから私の手を離そうとしない。
そっか……もしかしたら、触れたいって思ってるの……
私だけじゃなかったのかも……
「ふふっ」
「ん?」
「あ、ほら……まさかハンサムに彼女を紹介してもらえるなんて、思ってなかったから……」
照れ臭くて、話をごまかした。
「だろぉ?俺も最初びっくりしちゃってよぉ」
「そうですか?ま、僕も普通の男だってことですよ」
すました顔で、そんなことを言うハンサム……
「ハンサムが……」
「普通の男……」
「ないよねー」「ないなーー」
ケラケラ笑う私たちを見て、ハンサムが
「貴方達は、似た者同士ですね」
だって。
なんかそれって、最高の誉め言葉じゃない?
私が嬉しそうに笑っていると
「お前なー40手前のおっさんと、女子高生を一緒にすんなよーなあっ?」
「あ、そ、そーだよっ!」
でも、でも、やっぱり今の言葉も
この繋いだままの手も、やっぱり
嬉しいな。