第14章 君となら視線だけで
車を停めてから、近くのカフェに向かった。
「ここのパンケーキ、オススメなんですよ」
「ふぅ~ん」
なんか、特にオシャレな感じでも可愛い感じでもない、どこにでもある、フツーのカフェ。
その店の雰囲気にあった、フツーの店員さんが出てきた。
「いらっしゃいませ!あ!バーナビーに虎徹さん」
虎徹さんっ!?
思わずビクッとした。
そ、そうか……みんな気軽に呼んでるものなのね。その呼び名は。
「いつもの席、空いてる?」
「うん、さっき連絡もらってリザーブしておいた」
「そう、ありがとう」
そう言って店員さんの頭を軽く自分に寄せて、、、
へっ?
ハンサムが店員さんの頭にキスをした!?
は、ハンサム……こんなところでも、ビーム撒き散らしてるのっ!?
でも、ちょっとやり過ぎなんじゃあ……
私がびっくりして立ちすくんでいると、虎徹さんが私の手をクイッと引っ張った。
「おい、何、ボーッとしてんだ。行くぞ?」
「あ、う、うんっ……」
虎徹さんが私の手をひいて、エスコートしてくれる。ま、席まで促してるが正解なんだけどね。
でもそれが嬉しい。
案内されたテーブルは、外から少し見えにくい落ち着いた場所にあった。