第14章 君となら視線だけで
でもさーーーーー
なんか、おかしくないっ!?
ハンサムが運転して、その横が虎徹さん!?
いや、おかしいよね!?
で、私が後部座席っ!?
これ虎徹さんの車でしょっ?
虎徹さんが運転して私が助手席。で、ハンサムが後部座席!これが一番落ちつくと思うんですけどっ!?
なんだかイライラしていると、また、前の二人が小声で囁きあってイチャイチャしているっ!!!
なんなのよっ!この二人はっ!!!
うーなんだか今日はイライラ、モヤモヤが続くなっ!ハンサムがいつにも増して、虎徹さんにくっつくからっ!
ってもしかして、ハンサムっ!?
ま、まさかっ!!!
なんて考えてたら、車が赤信号で止まった。
すると虎徹さんが助手席からさっと降りると、後のドアを開けた。
「ほらっ、もっとそっち詰めて」
「へ?」言われた通り横に少しズレた。
「悪ぃな、バニー。お前を運転手みたいに使っちまってよ」
「大丈夫ですよ、ベテランヒーロー二人の運転手なんて、光栄ですから」
「ちょっと、私まで年寄りみたいな言い方止めてよっ!」
「だっ!こらっ!誰が年寄りだ!」
なんて言いながら私の手をギュッと握ってくれる虎徹さん。
私が顔を赤くしていると、バックミラー越しにハンサムと目があった。
「先輩ヒーローに睨まれるのは、得策じゃありませんからね」
なんてウインクしてくる。
……私の気持ちなんて、バレバレだったのね。