第14章 君となら視線だけで
「お二人さ~ん、車、玄関まで寄せましたよー」
窓の外からハンサムの声が聞こえた。
いつの間にかハンサムが、車を取りに行ってくれていたみたい。
急いで荷物をバッグに詰めて玄関まで行き、ドアに手をかけた瞬間、後ろにグイッと引っ張られ……
後ろからギュッと抱き締められた……
虎徹さんが後ろから私を抱き締め、私の髪に顔を埋めている……
どうしよう……
ドキドキして……
何も言えない……
「お疲れさん、頑張ってたな」
「うん……」
「で、俺の家を出る時、何か言うことないの?」
「……おジャマしました?」
「そ、正解」
そう言って私を今度は正面から、抱き締めてくれる。
そして甘い
キス……
あ……ヤバい……このキスは……腰にくるヤツだ……
虎徹さんの服をギュッと掴む。
それに気付いた虎徹さんが、そっと唇を離すと、優しく微笑んで
「バニー待たせちまうな」
「……うん」
そしてもう一度、軽くキスをしてから
私たちは手を繋いで、ハンサムの待つ車へ向かった。