第14章 君となら視線だけで
「カリーナっ!」
虎徹さんに突然大きな声で呼ばれた!
「えっ!」
「お前、めっちゃ怖い顔になってんぞ!悪かったって、勉強のジャマしちまってよー」
ムギュウ~っと、両手でほっぺを挟まれる。
「ちょ、ちょっと止めてよ……」
ムグムグして言うけど、ホントはもっと私にも
触れてほしい。
すると虎徹さんは、いつもの大好きな笑顔でニカッと笑うと
「うん、いつもの顔になった」
なんて言って頭を撫でてくる。
その言葉に顔を赤くしていると、ハンサムが
「そろそろ勉強しましょうか?早く終わらせて甘いものでも食べてから、スタジオ入りしましょう」
そう。この夏もやっぱりBTBの3人で、イベントやテレビ出演に呼ばれることが多い。
いい加減、あのズレたダンスは止めてほしいんだけどなぁ~
チラリと虎徹さんの方を見ると
「わぁ~ってるって!大丈夫!今日のダンスはバッチリキメテみせっからよっ!」
「……期待してないから、いいよ。さ、ハンサム始めよう」
「そうですね。それが賢明です」
「だっ!こらっ!お前らなー!!!」
そうそう。とりあえず、明日のテスト勉強だけは、終わらせないとね。
今日は、その撮影が終わったら少し時間が取れそうだし……
ふふふ……
「ブルーローズさん、ニヤケてないでちゃんと聞いて下さい」
…………
またやっちゃった。