第13章 君へと続く夢 side BUNNY
すると女性は、ほんとうに嬉しそうに微笑み、僕に優しく話してくれた。
「貴方のこの手にね
貴方の“運命”が落ちてくるのよ」
「僕の……運命……?」
「えぇ、そうよ。貴方はこの手で、しっかりとその運命を掴むのよ」
「掴む……?」
「そう、決して離しちゃダメ。あと、そうね、落としてもダメよ?ふふっ」
なんだか楽しそうに笑って言う女性に、“運命”なんて言葉を聞いて、緊張した僕も少し笑顔が出た。
僕の笑顔を見て安心したのか、その女性は
「ありがとう……貴方になら、安心して任せる事が出来るわ……」
と、僕の頬を撫でながら言っているけど……
目は少し潤んで……
どこか遠くを見ているようだった。
どうしたの?
声をかけようと思ったら、両親が僕の傍にやって来て
「いつも貴方の傍にいることを、忘れないでね」
「愛しているよ、ジュニア」
そう言って僕を抱き締め、キスをしてきた。
忘れるわけがない!
どうしてそんな事を言うの!?
どうして!?
「愛してる……」
パパとママ、二人の声が聴こえて
目が覚めた……
朝だった。