第13章 君へと続く夢 side BUNNY
「いよいよだな、ジュニア」
「うん!」
「ジュニア、貴方なら立派なヒーローになれるわ」
「ありがとう!僕、必ずパパとママの……」
『仇を討つ』
その言葉は、両親の腕で遮られた。
そう……強く抱き締められたのだ。
どうしても伝えたいその言葉。
それが言えないもどかしさを感じていると
いつもの女性が現れた。
「こんにちは、バーナビー君」
「こんにちは」
僕は両親の腕から離れた。
女性は僕の前まで来て、目線を合わせるようにしゃがみ
「明日からヒーローになるんだね」
優しく微笑みかけてくる。
「うん!僕ね必ず、パパとママのっ…………」
その女性も、僕のことをギュッと抱き締めてきた。
僕は突然抱き締められて驚いたのと、また、
『仇を討つ』
その言葉が言えなかったもどかしさで、頭の中がいっぱいになったその時、
僕を抱き締めていた女性の手が緩み、女性の両手は
そっと優しく、でも力強く
僕の両手を握りしめてきた。そして
「大事な話があるの、聞いてくれる?」
初めて会った時に言っていた言葉だ。
前は恥ずかしくて、小さく頷くことしかできなかったけど
今度は違う。
僕は、女性の目をしっかり見て大きく頷いた。