第13章 君へと続く夢 side BUNNY
「そうね……すごく大事な話なんだけど……」
女性は少し困ったような顔をした。
それは僕がずっと警戒心を解かずに、困ったような顔をしていたからだろう。
するとその女性は
「そうだ!先に仲良くなろう?私にもね、今の貴方より少し大きい娘がいるのよ」
僕は周りをキョロキョロと見回す。
ここはすごく広くキレイな場所なんだけど、
今ここにいるのは
僕と両親、そしてその女性の4人だけ。
僕が不思議そうな顔をしていたのだろう、その女性は
「ふふ、ここには居ないのよ。もっと遠くにいるの。そうね、いつも貴方がいる場所よ」
「僕がいる場所……?そこは、パパもママもいないんだ……」
「そうね、でも、いつか……もっと遠い未来でまた一緒になれるの」
「遠い未来って……長いよ……」
僕は少し涙声だったかもしれない。
するとその女性は、僕の頬をその温かい両手で包みこんで
「そうね、でも、どんなに離れていても
心はいつも傍にあるのよ」
そう言ってやさしく微笑む。
僕は瞳に涙を溜めたまま、両親の顔を見ると
「そうよ、いつも貴方と一緒よ」
両親も優しく微笑んでいた。