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君とならキスだけじゃ【TIGER&BUNNY】

第13章 君へと続く夢 side BUNNY


その女性は、僕と目が合うとニコッと微笑んできた。


黒い瞳に、黒いストレートのロングヘアー……


「はじめまして、バーナビー君」


その人は僕の名前を呼んで声をかけてきた。


ビックリした僕は両親に、ギュッと抱きついた。

「ふふっ、人見知りは相変わらずね」
母が笑う。

「大丈夫。この人はね…………なんだよ」

「えっ?」


僕は父が言った言葉を聞き返した。
でも、父はニコニコと笑っているだけで……

戸惑っている僕に、その女性が近づいてきて
僕の目線にあわせるように屈むと、僕の手をとり

「貴方にね大切なお話があるの。聞いてくれる?」

優しく話しかけてくる。


訳がわからなくて、両親の顔を交互に見ても二人ともニコニコと笑っているだけだ。


僕は少し不安だったけど、ニコニコと笑う両親の傍にいる安心感もあって……

コクン

と、小さく頷いた。


するとその女性は

本当に嬉しそうに笑って、僕の手をギュッと握りしめてきた。

その手からは、優しさと温もりそして


強さ、が


小さな僕の手にもしっかりと伝わってきたんだ。




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