第13章 君へと続く夢 side BUNNY
父と母に抱き締めてもらう
暖かくて、優しい匂いのする両親に
ギュウッと力いっぱい
そして僕は顔を上げて二人を見た
「僕ねヒーローになるんだ!絶対に犯人を捕まえてみせるからね!」
胸を張って言う僕に父は
「お前の選んだ道だ。後悔しないように、真っ直ぐ進むんだぞ」
違う!僕は父さんと母さんのために……
「そうよ、ジュニア。貴方の人生なの。貴方の好きなように生きるのよ」
だから、僕は二人のために!!!
でも、声が出ない
「愛してるわ、ジュニア」
母が僕の額にキスをしてくる
「過去を乗り越える強さを持つんだ」
父が優しく声を掛けてくる。
過去を乗り越える……?
僕を……今の僕を築いてきたのは、間違いなく
過去だ
「大丈夫……貴方は一人じゃないのよ」
そんな……僕は……僕はいつも、一人だ……
僕を抱き締める母の手が緩み、僕の背中をそっと前に押した。
母の手は僕の背中にずっとある。
そして、僕の前に一人の女性が現れた。
誰だろう……
僕の知らない女性だ。