第13章 君へと続く夢 side BUNNY
アカデミーに入学する頃には、両親の夢を見ていた記憶さえも忘れていた。
それほどまでに、僕の頭の中はウロボロスで一杯だったんだ。
司法局にヒーローになる為の申請を出した日、
僕はこれでまた犯人に近付いた!と、熱い思いを滾らせていたその夜
久しぶりに両親の夢を見たんだ。
懐かしい父と母の顔。
彼らは歳を取らない。
僕が子供の頃彼らに愛されていた、そうあの頃のままなんだ。
大きくなってしまった僕は……
父と母の傍に寄る事が出来ないように感じた。
でも、
「ジュニア」
「私達の天使、ジュニア。早くママに抱き締めさせて」
父と母が声を掛けてくる。
その時、僕は自分の手を見た。
あ!
小さな子供に戻っている!!!
これなら抱き締めて貰える!
「パパッ!ママッ!」
僕は両親の元へ、走って行った。