第13章 君へと続く夢 side BUNNY
朝、この声を聴いて目が覚める。
そう、僕はよく両親の夢を見た。
父と母の3人で食事をしたり、他愛もない話をしたり。ごくありふれた日常を切り取ったものだ。
それは本当にあった事実の記憶なのか、それとも、僕が望んで見た“夢”の記憶なのか
それすらもわからない。
ただ、両親の夢を見た日の朝は気分がいい。
気持ちのいい朝を迎える事が出来た。
ただ、そんな優しい夢も
僕がウロボロスに近づくにつれ、見なくなっていった。
そして、そんな優しい記憶も僕の頭の片隅に追いやって
僕は執拗にウロボロスの情報収集にあたった。
だって当然でしょう?
両親を殺した犯人なんだから。
ただ両親の名に恥じないように、学校では優等生で通した。
つまらない事でからかってくる同級生。
勝手に僕を虚像化して、まるで王子様か芸能人のようにキャアキャアと寄って来る女の子達。
どれにも興味がなく、関心がなかった。
僕の興味と関心を引いた唯一つ、それは
やっぱり
ウロボロス
だった。