第1章 キスだけじゃ、我慢できない
Hi!TIGER&BUNNYの身体は首から洗う方、バーナビーです。
実は、あの時の会話を少しだけ皆さんにも聞いてもらおうと思います。
あの時?
いえ、僕と虎徹さんの『アノ時』じゃないですよ!
勘違いしないで下さい!!!
ここでは、そんな話はしません……
楓ちゃんと僕の、二人だけの秘密の会話です。
実は、あのショッピングモールで、犯人を捕まえた後、虎徹さんを置いて二人で買い物に行った時です。
僕達は、もう一度、あのブティックに戻っていたんです。
そう、楓ちゃんが、どちらがいいかと、聞いてきたあのショップに……
「ねぇ……バーナビー……」
「はい?」
「これ、やっぱりこっちが似合うよね?」
そう言って楓ちゃんは、僕が選んだ方の服を鏡の前で充てている。
「そうですね。この方が楓ちゃんの雰囲気に合っていますね」
「だよね~……お父さんの趣味は、きっとこういう可愛らしい感じなんだよね……もう、似合わないのに……」
「?」
「……こっち選ぶと喜んでくれるかな……?」
あぁ!そうか!
楓ちゃんは、虎徹さんにも喜んで貰いたいのか!
まだ、可愛らしいイメージを崩さない、楓ちゃんを見せたいんだ。
でも、やっぱり自分の趣味も譲れなくて悩んでいたのか……
きっと、さっきの虎徹さんを見たせいだな……
だって、本当に
格好良かったから……