第12章 LOVE SAUCE 前編
「他人に……一切興味がなかったので全てお断りしていたら、いつの間にか一人でしたね」
「………………」
無言の返事を返す虎徹さん。
しまった、正直に話し過ぎたかな……?
「俺が同級生だったら、絶対にバニーを一人になんかさせなかったのになぁー」
僕の手をギュッと握って、虎徹さんは、いつもの笑顔で言ってきた。
僕は握られたのは、手だったハズなのに……
なんだか心臓を
ギュッと
握られた気がした。
「わ!おい!バニー!何でお前が泣くんだよっ!」
虎徹さんが、焦った声を上げた。
「え……」
僕の両目からは、何故か涙がポロポロと溢れていて……
オロオロとした虎徹さんが、さっきのハンカチを出してきたので
「うわっ!イヤですよ!それ!鼻水でびちゃびちゃじゃないですか!!!」
びっくりした僕が大声を上げたら
「あーそーだったな!これ、洗って返すからさー。ごめんな、バニー……」
そう言って、僕をそっと抱き締めてきた。
僕より少しだけ、身長の低い虎徹さん。
僕より少しだけ、体重の軽い虎徹さん。
そして僕より、一回り年上の虎徹さん。
僕はどの虎徹さんも……やっぱり
大好きなんだ……