• テキストサイズ

君とならキスだけじゃ【TIGER&BUNNY】

第12章 LOVE SAUCE 前編


「はぁ~……毎年、毎年……この時期になると、おんなじ事ばっか言ってよぉ……」


「…………あ?」


「あ?じゃねぇよ……」


「へへっ……そうか……」


それでも、ま、去年あたりから、登場人物がもう一人増えた。

「そーいえば、こないださーバニーのヤツが……」

そう。突然組まされた相棒のバーナビー。
今までは、友恵ちゃんの名前しか出てこなかったのにな。

こいつにとっちゃ、えれー進歩だ。
でも、ま、


「ともえ……」


そう呟いて、また、酒を飲む虎徹。


「アントニオーーー俺はーーー」


ぐすん


と、あーあーまた泣き出しちまったよ。


「もういいんだ、虎徹。お前は先に進んでも」

「あー?」


そう、親友の虎徹は、毎年この時期……

友恵ちゃんの命日が近づくと……


同じ事を呟いては、酔い潰れる。

そして左手の薬指に光る指輪をなぞっては、ぶつぶつと言って酒を煽る。



/ 429ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp