第11章 真夏の夜の訪問者 後編
「はぁっ!?」
「NEXTじゃないっ!?」
病院の診断に驚いて思わず二人、大きな声を上げた!
「はい。特に何もかかってはいないようですが……何か気になることでも?」
先生の冷静な声が診察室に響く。
「いや、えっ!?ってさ……」
「じゃあ、アレは……」
そしてまた、俺達は無言で顔を合わせ……
『…………ありがとうございました』
先生にお礼を言って、診察室を出た。
そして病院の廊下をやっぱり無言で歩いていると
「ココデ……」
「え?何か言ったか?」
「いえ……あ、でも……」
「オワル……ハズ……」
「な、何っ!?何か言った!?」
「ええっ!?いや、その……あの……」
なんだ!?今度のはバニーには、聞こえていないのか!?
バニーが俺の指先に、自分の手をチョンッとあててきてさ……
そして、俯きながら……
「今夜は、あの……怖いので……一緒にいても……?」
俺はさっきまでの恐怖心が吹き飛んで
「お、お、おッ!俺も同じこと思ってたんだよッ!」
なんて恥ずかしいことを言った矢先
BEEP!BEEP!BEEP!BEEP!
嘘だろ……この状態でッ!?
でも……
バニーの顔をパッと見ると、ニヤリと笑って。
「行きますよ、虎徹さんっ!」
「おおっ!」
俺達は病院の廊下を走……
「病院の中を走らないッ!!!」
近くにいたナースに怒鳴られちまった。
「すんませーーーん!!!」
「あ、すいませんッ!!!」
俺達は早歩きで、病院を出てすぐアニエスと連絡を取った。