第11章 真夏の夜の訪問者 後編
今日、何度目だろう……
無言で見つめ合うの……
でも、でも、それなのに……
お互い身体が怠すぎて動かねー……
「と、とりあえずシャワー浴びるか?」
俺がマヌケな声を上げると
「……はい。隣のシャワー……使って下さいね……」
「あぁ……」
当たり前だろーーー!さっきから気味が悪すぎて、どうにも寒気が止まら…………
ん?
止まってるな。
バクバクしてた心臓も、ドキドキに変わってる。
繋いだ手から、バニーのドキドキも伝わってくる。
俺達は手を繋いだまま、何台もあるシャワーの中から真ん中の2台を選び、そっと手を離すと並んでシャワーを浴びた。
そして同時に、シャワールームから出ると、また、どちらからともなく手を繋ぎ……
軽くキスをした……
「と、とりあえず早く着替えて病院行こうぜ……」
「そ、そうですね……」
お互い真っ赤な顔のまま、病院に向かった。
ま、もちろん外で手なんて繋げねーんだけどサ。