第11章 真夏の夜の訪問者 後編
その大きな音に飛び上がりそうになったけど、なんとか堪えて、もう一度人形の置いてあるベンチを見た。
………………
「い、いない……?」
「は、ハハッ……」
俺がボソッと言った言葉に、バニーが乾いた笑いで返事をした……
そしてまた、無言で俺達は見つめ合うと
「ね、NEXTだよ。なっ!シャ、シャワー浴びて、さっさと病院に行こうぜ……」
「……はい」
もうお互いかける言葉が見つからない。
とりあえず、身綺麗にして、ヒーロー顔して病院に行きたい!
その思いだけで、焦って服を脱いでると
「うわっ!虎徹さんっ!」
バニーが突然、叫んだ!!!
「な、何っ!バニー!!!」
びっくりしたーーーー!!!
突然大きな声出すなよーーーー
俺は今までに味わったことのない、バクバクとなる心臓を押さえてなんとか声を出した。
「その身体……酷い……」
「へ?何……失礼だなぁ~バニーちゃん…………
って、うわぁ!!!!」
俺は鏡に映った自分の身体を見て、大声を上げてしまった!
「何だ!?これっ!!!!」
そう、俺の身体……全身に……
キスマークと言うよりも、もうそれは
内出血
しているようなアザが無数に散らばっていた…………