第11章 真夏の夜の訪問者 後編
無言のまま、俺はずっと抱いていた《バニー》をシャワールームのドア近くにあるベンチに横たわらせた。
そのあとすぐに、バニーも《コテツ》を横に置いた。
俺が自分のロッカーの前で服を脱いでいると……あれっ?
「バニーちゃーん、もーふざけないでよッ」
俺は笑いながらバニーに話しかけた。
ベンチに置いた《バニー》と《コテツ》。
《コテツ》の上に《バニー》が覆い被さっている。
バニーのヤツ、いつの間にふざけて置いたんだよ。
「えーっ?なんですかー?」
するとベンチのあるドア付近とは反対側の、トイレからバニーの返事が聞こえた。
「えっと……そっちにいんの……?」
バニーが手を拭きながら、トイレから出てきた……
「どうしたんですか?」
「いや……これ……したのお前?」
俺は《コテツ》に覆い被さる《バニー》を指さした……
「は!?何ですかっ!?虎徹さん!ジョークのつもりですかっ!?」
え?バニーなんでそんな怒ってンの?
と、もう一度人形を見ると、今度は……
「うわっ!!!」
パンツを脱いだ《コテツ》の股間に《バニー》の頭があるじゃねーかッ!!!
「ち、違う!!!俺じゃねーよっ!」
バニーのヤツ、俺の事をジトッとした目で睨んでくる。
「俺が見たときは、《バニー》が《コテツ》の上に乗ってたから、てっきりお前が……」
「は?何、ふざけたこと言ってるんですか?」
そう言ってもう一度、二人で人形の方を見ると
『うわあぁぁぁーーーーっ!!!!』