第11章 真夏の夜の訪問者 後編
「お前さ……何時頃まで起きてたんだ……?」
「え?僕ですか?僕は、朝……そうですね、明るくなってきたのは覚えていますね」
「えっ!?マジっ!?」
そ、そうか……やっぱこの《コテツ》の中に入ってるのって……
バニーのだよな……
俺の持ってる《バニー》も……きっと、俺のが……
俺は両手に人形を持って、なんとなく重さと液体の量を比べていると
バニーがパッと人形を俺から奪いやがった。
「僕の人形に入ってるの……少ないですね……」
「いやー、俺、けっこうすぐ早くに意識飛んじゃってー」
ちよっと照れ笑いして言ってみた。
「そのワリには、顔が疲れてますね」
「仕方ねーだろ!おっさんなんだよ、こっちは!」
………………
なんの会話だ。これ?
てか、バニーの首筋についてるのって…………
あの、赤いの…………
「虎徹さん、首に赤いのたくさん付いてますよ」
「えっ!?ウソッ!?てか、バニーもだぜ!?」
「えっ!?」
………………
さっきから、これの繰り返しだな……
しかも、お互い本音のところが出てこねー……
「とりあえず、シャワーしてから、病院行くか?」
「そうですね」
俺達は人形と一緒に、シャワールームへ向かった。