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君とならキスだけじゃ【TIGER&BUNNY】

第10章 キスだけじゃ、誘えない


車で来ていたタイガー。助手席に座るように促され、ドキドキしていると

「いつもの店だろ?」

「あーうん」

「ちょっとでも寝てれば」

「ダメ。喉が閉まっちゃうから」

「なんだそれ?開けてやろうか?ハンドレッドパワーで」

なんてハンドルを握りながら、こちらをチラリと見てくる。



うっ……


ちょっとソレ、女子高生には刺激が強すぎる……


そう。ハンドルを握っているだけで、タイガーの“大人の色気”が駄々漏れになっている……

だいたい、なんでこのおじさんは、女子高生にも解るぐらいの色気を駄々漏れにしてるのっ!?

なんか栓とか蓋とか、できないのかな?
わかった!私の氷で凍らせちゃえば!!!



……


無理ね…………


「なんだブルーローズ、表情筋のトレーニングかぁ?」

「は?そんなワケないでしょっ!」


見られてのか…………


なんて思ってたらあっさり、いつものバーの裏口の前に車を着けてくれている。


「あ、ありがと……タイガー」

「おぅ。あんま無理すんなよ」

「うん。行ってくるね」

「おぅ」

軽く手を振っていると

「お前、早く店に入れよ。心配で車、出せないだろ?」

あ!待っててくれたんだ!私がタイガーの車を見送ろうと思ってたのに。

「ごめ……じゃあね、タイガー」

「おぅ!」


私がバーのドアを開けサッと中に入り、ドアを閉めるとすぐに車が発進した音が聞こえた。


…………


保護者みたいだな。
ま、仕方ないか……


「おはようございます」

私は店のスタッフに挨拶をすると、すぐに控え室へ向かった。



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