第8章 バニーちゃんの恋人
折紙先輩からお借りした木のカップにぬるめのお湯を注ぐと、小さく切ったキッチンペーパーを虎徹さんに手渡した。
「はい、どうぞ」
虎徹さんは、お湯の温度を確かめるように手を入れると、イソイソと服を脱ぎだす。
「な、何してるんですか!?」
「え?風呂だよ、風呂」
「は?」
虎徹さんは、木のカップにもたれ、カップからはみ出る長い脚をフチにかけ、頭には濡らして絞ったキッチンペーパーを乗せている。
「いやーーーバニーちゃん!いいお湯だわーこれっ!」
ポカーンとして見ている僕に、ニンマリと笑いかけてくる虎徹さん。
「え、あ……そうですか、よかったです」
虎徹さん……可愛いというより……な、なんだか……
セクシー過ぎるんですけどっ!?
無邪気に笑う虎徹さんを、僕は何だかモンモンとした気分で見ていると
「あ、写真撮って!バニーちゃん!」
「え?」
「折紙に送るから」
「ダメですよ!何言ってるんですかっ!?」
「へ?なんで?これ、目玉親父の超定番なんだけど?」
「貴方は親父だけど、目玉じゃないんですからっ!」
「バニーちゃん……何気に失礼なんだけど?」
しまった本音が漏れた!
「す、すいません!でも、貴方のそんなセクシーな姿……誰にも見せられませんよ……」
僕はゴクッと喉を鳴らして、虎徹さんと見つめ合った。
「な、何言ってんの!?バニーちゃん!?」
虎徹さんが顔を赤く染める。
あぁ!そんな赤い顔をして!思わず僕は虎徹さんに近づいた……
その時
バシャッ!!!