第8章 バニーちゃんの恋人
「は~~っ、やっぱここが落ち着くわ」
虎徹さんが僕のリビングの椅子に座って、大きく息をついた。
「そうですね。何か飲みますか?」
「おーじゃあ、ビール……は、やめとく、か……水でいいや……」
「いいですね、健康的で」
僕はファイヤーさんが服と一緒に持って来てくれた、食器にミネラルウォーターをチョロっと入れた。
さすがファイヤーさん、ほんと気が利くな。
「健康的でも、これじゃあ何にも出来ないぞ?」
虎徹さんが、ミネラルウォーターに口をつけながら言った。
「何にも、って……何ですか?」
僕が少し意地悪く笑って言うと
「ばっ……言わない……」
プイっと横を向いてしまった。
うーーーん。どうしよう。何をしても、可愛いな。このsizeだと……
僕が顎に手をあてて、真剣に悩んでいると、虎徹さんはまた、僕の手をぴょんぴょんと登ってきて、肩に乗ると
チュッ
と、頬にキスをしてきた。
「なんか、でっかいバニーちゃんも、いいな」
そう言って照れたように笑う虎徹さん……
僕は膝から崩れ落ちてしまった……
「おいっ!アブねー!!!」
バランスを崩した虎徹さんが、僕の髪にしがみつく。
あーーー、そんな痛みすら可愛い……
「す、すいません。でも貴方がいけないんですよ。そんな可愛らしいことをするから」
「あーー!もういいよっ!あっ!そだ!あれ用意して!折紙から借りたやつ!」
「???わかりました」
僕は意味がわからないまま、虎徹さんの言う通りに準備をした。