第8章 バニーちゃんの恋人
「ぎゃあーーー!ちょっとハンサムっ!アンタ何すんのよっ!アタシのバービーちゃんにっ!!!」
「へ?あ、すいません。つい」
「つい、じゃないわよっ!これ、ヴィンテージよっ!」
わわわっ!ファイヤーさん、火が着いたように怒ってる。
すると折紙先輩が
「バーナビーさん、バービー人形にヤキモチやいちゃったんですね」
なんて、ニコニコして言ってる……
「……」
返す言葉がなく、赤い顔で立ち竦む僕に虎徹さんが
「バニーちゃん、今日はもう帰ろっか?」
「……はい」
「ん」
ニコッと笑ってそう言うと、僕の手をひょいひょいと登ってきて、
ポスン
と、胸ポケットに収まる虎徹さん……
か、可愛いすぎるだろっ!?
僕が心の中で叫んでいると、どうやら皆、同じ事を思ったみたいで
「何か新種のペットみたいね」
「手乗りオジ」
わーーーわーーー
もうこんな可愛い虎徹さん、誰にも見せたくないッ!
「あのっ!お先に失礼しますっ!」
僕が90°に頭を下げると
「だっ!ばにっ!」
虎徹さんが、胸ポケットから落ちそうになった。
皆の笑い声が響く中、僕たちは急いで家路についたんだ……