第8章 バニーちゃんの恋人
「あれ?バーナビーさん?一人ですか?」
トレーニングセンターには、折紙先輩が来ていた。
するとそれを確認した虎徹さんは、
僕の頭から顔を出して、いつもより高い声で
「おい!折紙!」
「え……」
折紙先輩がびっくりして、僕の目を見ている。
「ち、違いますっ!こっちです!!!」
僕は自分の頭を指差した。
「えっ!?えっ!?タイガーさん!?」
「そうだ!折紙!」
また、高い声で……すると、折紙先輩が……
「め、目玉親父っ!!!」
虎徹さんを親父呼ばわりして、指を差して爆笑している!!!
「お、親父だなんて!!!」
焦る僕をよそに、虎徹さんが
「やっぱり、お前ならわかってくれると思ったよーーー」
虎徹さんも、僕の肩に降りてきて爆笑している。
………………
なんで二人ダケで解りあってるのか……
「あら、ハンサムどうしたのー?そんな怖い顔しちゃって❤️」
「おぉ!ネイサン!」
僕の肩から乗り出して、ファイヤーさんに声をかけている。
「やだ……タイガー……あんたまた、変なNEXTに……」
「だっ!それより、頼みがあンだよ」
「何よぉ~高いわよ」
そう言いながら、僕の肩に手を差し出すファイヤーさん。
その手のひらに、ピョンと飛び乗る虎徹さん。
「ま、いーじゃねーか」
ニヤリと笑うと、ファイヤーさんの耳元で何か話している。
「やだ~楽しそう❤️すぐ持ってくるわ~❤️」
「おぅ!頼んだぜ!ってかさーお前、耳の裏、おっさん臭……だっ!!!こらっ!!!」
無言でファイヤーさんが指先から炎を出した……
「わざわざ怒るような事をっ!直火焼きにされちゃいますよっ!」
小さくてもやっぱり虎徹さんは、虎徹さんだ……
「ははっ!悪ぃ、悪ぃ!頼むよネイサン!」
なんて、悪いなんて思ってない口振りで謝ってる……
「アンタ、次はないからねっ!」
そう言ってトレーニングルームからファイヤーさんが出て行った。