第7章 dandelion ~love's oracle~ Ⅱ
小さなキズを顔や身体中につけたライアンが言った。
「の未来に俺は必要ないんだ」
「何言ってんだ、お前ッ!?」
虎徹さんも僕のすぐ後ろに立って、大きな声を上げた。
「観ていましたよ、ちゃんと。貴方の声で落ち着きを取り戻していくさんの事をっ!」
もちろん僕も黙っちゃいられない。
「ダメだ。俺はアイツの傍にはいることはできねーそれに、もう出発の時間だ」
『えっ?』
僕と虎徹さんの声が重なった。
「すぐの飛行機で発つ。悪かったな、送別会出れねーや」
「何を言ってるんですか!?ここを発つのは、まだ先だったはずです!」
涼しげな顔でそう言ってのけるライアンに、苛立ちが隠せず大きな声が出てしまった。
「新しいスポンサー様のご要望なんだよ。俺らは、スポンサー様あってのヒーローだろ?」
それには反論できない……
「悪かったな、後、頼むわ……」
「ライアンッ!」
虎徹さんが呼び掛ける。
でもライアンは振り向くことなく、手だけを振って……
その足でエアポートへ行ってしまった。