第7章 dandelion ~love's oracle~ Ⅱ
「、大丈夫だ。お前はキレイだ。キレイなままなんだ」
ライアンがさんの身体を抱き締めている。
無意識で暴れているさんの力は、相当なモノだったと思う。
ライアンの顔や身体には、小さなキズが出来ていく。
それでもライアンは、声をかけて抱き締めることを止めない。
「大丈夫だ。大丈夫。次に目が覚めた時、お前のキレイな目に映るのは、明るい未来だ。大丈夫……」
ライアンは何度もさんに、大丈夫と声をかけながら、彼女の額にキスをする。
それは本当に……本当に……
美しい映像だった。
暫くするとさんも落着き、目を閉じるともう一度深い眠りに入って行った…………
僕と虎徹さんは、いつの間にか手を握りあって無言でモニターを観ていた。
するとライアンが部屋に戻ってきた。
そして僕たちの手を見て
「あー……悪かったな。邪魔して……後、頼むわ」
そう言って踵を返して部屋を後にしようとするので、もちろん止めに行くと
「俺が出来るのはここまでだ」
「え?」